仙育学発第147号
平成23年 5月 6日

文部科学大臣
 高木 義明 様
 
 

学校法人 仙台育英学園
理事長 加 藤 雄 彦

東日本大震災の被害に関する要望書(第2報)

前略 貴大臣の下、関係職員の皆様におかれましては東日本大震災による被災者救済等の対応のためご尽力をなされていることに改めて敬意を表します。
さて、日ごろより本学園に対しまして特段のご配慮を賜り衷心より感謝申し上げます。
 この度の大震・大津波の襲来から間もなく2か月を迎えようとしていますが、その間震度4以上の余震は続いております。大勢の生徒を預かる者として、その余震が起こる度に不安と怯えに身を震わせているところです。
 本学園では4月18日(月)から暫定的に授業を開始したところ、95%以上の生徒が登校しており、この苦難の中生徒はいかに学校の再開を待ち望んでいるかを諮り知ることができました。登校してきた生徒を対象に調査した結果(5月2日時点)、今回の地震やその後の余震で被災した生徒・職員の数は、約10%となっています。併せて、福島第1原発の問題は福島県の北部沿岸地区から通学している生徒には、原発避難を余儀なくさせられている者もいます。このことにより、これからの日常生活は困難となり、通学や勉学にもかなりの影響がでてきています。このような状況の下、保護者の離職や解雇などにより生活基盤を失い、今後の生活に困窮する家族が大幅に増え、生徒は精神的にも体力的にも疲労してくるものと推察されます。
 3月11日の大地震及び余震によって被害を受けた診断を専門家に依頼した結果、宮城野校舎の一部は使用不能であり(別表1)、他の一部は緊急修理すれば使用できるとの判断をいただきましたので、その部分を修理し使用する予定です。多賀城校舎は主としてエキスパンション、壁等に軽微な亀裂、体育館の天井の落下、建物周辺の路盤沈下等の被害がありました(別表2)。その後の余震で宮城野校舎は、新たに柱に大きな破損や亀裂、ヒビ割れ、屋根の剥離が生じました。また、多賀城校舎においては、回廊の一部が破損、体育館の一部が破壊、更には校地内のひび割れや学生寮の敷地内に液状化現象による建物の破損が生じました。そのため、緊急に教室配置の見直しを図り、校舎・学生寮及び敷地等の補修、修繕を行って学校再開に向け準備してきたところです。なお、学校再建に向け第1次校舎改築計画に基づき、学園挙げて推進しているところです。
 何卒、この窮状をご理解いただき下記の事項に特段のご配慮とご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

1

 

施設設備等の災害復旧費に対する公的補助の交付対象範囲の拡大とその交付率の更なる嵩上げへの支援

2

 

被災生徒に対する就学援助と奨学金援助の拡充に対する支援

3

 

被災生徒の授業料及び入学金等学納金の減免等に対する交付金の拡充に対する支援

4

 

被災した公共交通機関が復旧するまでに必要なスクールバス等の代替交通機関に要する費用の補助

 

遠隔地に仮設住宅を設置されたことにより増嵩する通学費に対する費用の補助

 

融資を受ける際の無利子融資制度の創設に対する支援

7

 

学校運営費の補助金の弾力的運用と柔軟な対応への支援

8

 

日本私立学校振興・共済事業団が行う融資の償還免除又は猶予への支援