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        第1回サイエンス・コ・ラボ  | 
       
      
         日 時:2014年6月28日(土)13:00〜16:00 
 場 所:宮城野校舎 化学実験室 
 テーマ:『植物油からの天然ビタミンEの分離回収実験』 
 参加生徒:秀光4・5年生および 
     特別進学コース1・2年生 (希望者) 
 講 師:東北大学大学院工学研究科 化学・バイオ系 
    北川尚美 准教授 
    大学院生等8名  | 
       
     
      
       秀光と仙台育英特別進学コースの生徒が共同で行う、理科の実験講座、サイエンス・コ・ラボ。2012年夏から始まり、今年で3年目を迎える本講座は東北大学からの全面協力のもと、大学の教授および先生方による、高レベルな講義や実験を体験できるのが魅力です。今年も全7回、さまざまなテーマでの講義が予定されています。 
       
      
       
       指導のため東北大学の北川尚美准教授と、8名の大学院生が来校してくださいました。宮城野校舎化学実験室には、理系の秀光4・5年生と、特進の1・2年生の希望者が集まりました。 
 
       
      
       
      東北大が開発した方法で 
        食用油から“天然のビタミンE”を抽出 
       
       
       今回のテーマは、植物油を使用して天然のビタミンEを抽出する分離回収実験です。北川先生の「純度の高い、天然のビタミンEは非常に高価で、1gあたりの値段は同量の金やプラチナよりも上です」というお話に生徒は驚いた表情を見せます。ビタミンEは生活習慣病予防などの高い健康維持機能を持ち、身近な食品添加物としても含まれますが、多くは合成品が使われています。 
       北川先生は、従来のビタミンE分離回収法では原材料の油から0.1%しか得られず、さらに不純物のないビタミンEを抽出するのは難しかったと話されました。そこで、東北大が開発した『新分離回収法』に本校生徒が挑戦しました。 
         
       
      
       
        6つの異なる条件で 
      抽出される効率の違いを比較しよう 
       
               生徒は10の班に分かれ、大学院生の皆さんに指導していただきながら実験はスタートしました。6つの瓶に異なる条件でビタミンEを溶かした溶液・植物油(スカム油 *)、そして吸着剤としてガラスビーズ・陽イオン交換樹脂・陰イオン交換樹脂を用意し比較します。抽出後、瓶にUV(紫外線)ランプを当てて光らせ、陰イオン交換樹脂がビタミンEを吸着させていることを生徒の目でも確認することができました。さらに吸着剤に樹脂を使用することで分離がしやすく、穏やかな温度でビタミンEを取り出せることが分かります。 
        *スカム油…食用油を作る過程で発生する、通常は廃棄処理される油。 
 
      
       
        生みだされた良い技術を使用することで 
        もっと良い世の中になるように… 
         
         北川先生は東北大学の新分離回収法を工業化させるため、ビタミンEを取り出すと同時にエネルギー燃料をつくり出す装置の研究を重ねていることについて、「食用油を作る際に捨てられてしまう油を使うことができれば、食用油を減らすことなくエネルギーをつくり、純度の高いビタミンEも回収できる。良い技術を使用することでもっと良い世の中になると思います」と工学がつくり出す新たな可能性を笑顔で伝えてくださいました。 
       
       
    
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