秀光中等教育学校 平成26年度卒業式 答辞【全文】
 

 雪解けの水が、春を待ち焦がれる草花に新しい命を与える季節となりました。本日はご来賓の方々の臨席を賜り、このような厳粛かつ盛大な、秀光中等教育学校第十二回卒業証書授与式を挙行してくださいましたことに、卒業生一同、心より御礼申し上げます。只今の校長先生の励ましの御式辞、父母教師会会長様のお祝いのお詞、在校生代表の心温まる送辞、力強い合唱に背を押され、私たち十四期生は将来への期待を胸に、今、大空へ羽ばたこうとしております。

 月日が流れるのは速いもので、馴れない制服に大きな期待と不安を包み、満開の桜に祝福され入学式を迎えたあの日から、6年が経とうとしています。個性豊かな仲間たちと過ごした秀光での6年間は毎日が刺激的で学びに満ちたもので、多彩な行事が私たちの絆を一層強くし、友人や先生方、先輩後輩との関わりが私たちを成長させてくれました。

 1、2年次のグリーンスクールでは雄大な自然の姿に圧倒されました。仲間たちと手を取り、励まし合いながら登った磐梯山。頂上へ着いたときの達成感は言葉に表せないほどのもので、眼下に広がる真っ白な雲海は今でも鮮明に目に焼きついています。

 4年次のニューヨーク研修での体験は、非常に充実したものとなりました。チャリティーコンサートに向け、出発前から一生懸命練習に取り組んだ合唱。歌い終わった後の観客からの盛大な歓声は、歌が世界共通の言語であることを私たちに気付かせてくれました。

 5年次の京都研修では、世界に誇れる雅やかな「和」の文化に触れ、西洋文化とはまた違った日本文化の美しさを体感することができました。また、京都大学や立命館大学、同志社大学で先生方の講義を実際に受け、大学という場所の雰囲気を実際に肌で感じたことで、大学受験への意識が高まり目標はより明確となりました。自分で論題を決め、精一杯執筆した8000字論文や共に京都を旅した友人との思い出は私たちの生涯の財産です。

 時には意見が食い違い、喧嘩や衝突を繰り返しながらも、最後は大成功に終わった合唱コンクールや秀光祭など、秀光での6年間は私たちにとって確かな青春の軌跡となりました。

 嬉しい時、悲しい時、悔しい時。私たちにはどんな時も感情を共有し、喜怒哀楽を共にする仲間がいました。どんな困難に直面しても乗り越えることができたのは、互いを尊重し信頼し、支えあっていたからです。6年前に出会った仲間たちとは今や家族のような強い絆で結ばれています。こうした深い関係を築き上げることができたのも秀光という環境があったからこそです。そのような恵まれた環境にいる後輩の皆さんには失敗を恐れず、仲間と手を取り合い、さまざまなことに果敢に挑戦して欲しいと思います。そして皆さんが秀光の伝統を守り、さらに素晴らしい学校を作りあげてくれることを期待しています。

 ところで今日、世界では非人道的ともいえる不幸なニュースが多く飛び交う一方で、日本人三名のノーベル物理学賞受賞やiPS細胞を用いた世界初の再生医療が行われるなど、これから社会へ飛び立とうとする私たちにとって希望をもたらすニュースも多くありました。日本人が世界で活躍する世の中で、私たちはこの秀光中等教育学校で培ったGlobalizeされた知識と経験を最大限に活かし、チャレンジ精神を常に持ち、これから待ち構える様々な困難にも決して屈せず、自分たちの目標に向かい確固たる意志を貫いていきます。

 時には厳しく、時には優しく、6年間教え導き、愛情を持って温かく見守り続けてくださいました先生方には感謝の想いで一杯です。どんな時も私たちと真摯に向き合い、情熱溢れるご指導をして下さりありがとうございました。そして今まで私たちを支え、夢を全力で応援してくれたお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん。時にはうるさいと感じる小言も、全て私たちを思ってのことだったと今更になって気付かされます。どうしても乗り越えられない壁があり、八つ当たりしてしまった時、一緒に悩み考えてくれたこと、行き場のない感情の全てを受け止めてくれたこと。今の私たちがあるのはこのような家族の支えがあったからです。本当にありがとうございました。

 最後になりましたが、秀光中等教育学校の益々のご発展と、校長先生をはじめ、諸先生方、そして在校生の皆様のご健康とご多幸を祈念し、次の言葉を送り卒業生代表の答辞と致します。

 在校生の皆さん、そして仲間に。

「あなたの未来に栄光あれ」

平成27年3月1日
 卒業生代表 佐々木

 
 
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