2014 Topics

 英松庵お茶室披き並びに東日本大震災復興事業
 英松庵移築記念御家元講演会

 
お茶室「英松庵」が 新たに生まれ変わりました ! “国際社会の中の日本文化”を あらためて意識しながら
 
新しいお茶室「英松庵」
 

 仙台育英学園多賀城校舎のお茶室『英松庵』が北辰館2階から、NCホール1階に移築され、新たに生まれ変わりました。これを記念して、6月3日、京都から裏千家第16代家元である坐忘斎千宗室宗匠様をはじめ多くのご来賓の方々にお越しいただき、お茶室披きおよび御家元による講演会が行われました。

 裏千家第16代家元坐忘斎千宗室宗匠揮毫による額除幕式

英松庵の再生を記念して
“至誠”の文字をお贈りいただきました


 はじめに裏千家第16代家元坐忘斎千宗室宗匠様の揮毫による額の除幕式が、ライオンズホールピロティ床の間前で行われました。加藤雄彦理事長・校長先生からの挨拶では、 お茶室に英松庵という名前をつけてくださったのは千宗室御家元様のお父様である第15代(先代)裏千家家元鵬雲斎千玄室様であること、そして東日本大震災によって損傷を受けたお茶室の復興について「御家元様に英松庵へふたたび魂をお送りいただき、“再生”させたいという気持ちでお願いをしました」と話されました。
 千宗室御家元様は、「日本という国がこの先、どう変わるのかは歴史を知るかどうか、文化を経験するかしないかで変わってくるかと思います。そういった意味で仙台育英学園に文化に触れる場所を作っていただいたのは大変大きな意味があります」と語られ、負のエネルギーを取り込んで正に変える茶道の“わび”の精神で「ますます色々なものを吸収し、前向きのベクトルを出していただけることを期待しています」と温かいご祝辞をいただきました。
 千宗室御家元様に揮毫していただいたのは、仙台育英学園における建学の精神のひとつである“至誠”の文字。除幕は千宗室御家元様、千隆史様、加藤雄彦理事長・校長先生、生徒会副会長吉田くん(英進進学コース3年 小原木中出身)によって行われました。

 英松庵お茶室披き


 新しい英松庵へ向かう中庭で、茶道部の生徒が並んでご来賓の皆様をお迎えしました。お茶室披きでは茶道部部員48名が揃い、代表生徒が千宗室御家元様をはじめご来賓の皆様にお点前を披露しました。生徒たちのおもてなしに対して、千宗室御家元様からは「これだけできるのはたいしたものです。皆さん構えがしっかりできています」とお褒めの言葉をいただきました。

 

 英松庵移築記念御家元講演会

自分が生まれた国のことを
自分自身の言葉で語れるように


 お茶室披きの後、千宗室御家元様による講演会が『私の国際交流』という演題で行われ、会場のNCホール1階音楽室には外国語コース1、2、3学年全員が集まりました。講演で千宗室御家元様は、ご自身が初めて海外へ行った時に感じた“カルチャーギャップ”や、タイの難民キャンプでボランティア活動をしたときの衝撃的な体験などを生徒に語ってくださいました。生徒たちはユーモアたっぷりに語られる場面では笑顔を見せ、また難民キャンプで生活する子どもたちの過酷な環境が語られると真剣な表情で聞き入っていました。千宗室御家元様は、この先国際社会に色々な形で関わっていく生徒たちに「自分の国のことを、自分自身の言葉で語れるようにしてほしい」と“世界と自分との間に一つの窓口を作る”ことの大切さを教えてくださいました。

 講演が終わると、生徒代表として茶道部部長の吉岡さん(外国語コース3年 門脇中出身)が「御家元様の難民キャンプのお話で、今自分がどれだけ幸せな環境に身を置いているのか実感いたしました。本日の講演を胸に刻み、これからも勉学に励んでいきます」とお礼の挨拶を述べました。

 

講演「私の国際交流」【全文】


 お見送り


 講演会終了後、NCホールから出られた千宗室御家元様をはじめご来賓の方々を、中庭では秀光1年生から5年生の生徒、そしてウエストウイング前では本校野球部、ラクロス部、女子サッカー部の生徒一同がお見送りしました。中庭には盛大な拍手が鳴り響き、運動部は千宗室御家元様からこれからの大会に向けて励ましの言葉をいただいていました。