『ダイコンの中心を探してみよう』を指導してくださったのは、佐藤先生です。「やじろべえを見たことがありますか?」と佐藤先生が問いかけると、何人かの手が挙がります。
佐藤先生からは1本の棒を糸で吊るしたときに左右の『モーメント(偶力)』が等しくなると、バランスの取れた状態になるという説明がありました。これは小学校で習う“てこの原理”のもとになっています。
机ごとにグループを組み、ダイコンをひもでぶら下げて、水平になる位置はどこかを探します。見つけたらそこに線を引いて半分に切り分けます。ここで佐藤先生が、「切った2つのダイコンは同じ重さでしょうか?予想しましょう」と問いかけます。実際に量ってみると…葉がついている側の方が重い、という結果になりました。
半分に切ったダイコンで先ほどと同じように釣り合う中心を探して計算をしていくと、ある法則に気付きます。モーメント(偶力)はダイコンの“糸の結び目からの長さ×ダイコンの重さ”で求められます。計算結果は葉っぱ側もしっぽ側もほぼ同じで、つり合いが取れていることがわかりました。
ダイコンのモーメント(偶力)の求め方 |
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A(糸の結び目からの長さ)×ダイコンの重さ=偶力【しっぽ側】
B(糸の結び目からの長さ)×ダイコンの重さ=偶力【葉っぱ側】 |
佐藤先生は「これから学校で“てこの原理”を勉強するという子も多かったので、どんどん活用してほしいと思います」と話し、小学校の授業を楽しく先どりできる実験となりました。
最後に同じ原理を利用したやじろべえ作りをすることに。針金とカラフルなねんどが配布され、子どもたちオリジナルのやじろべえができあがりました。やじろべえと実験で使用したダイコンはお土産として渡され、それぞれが自宅に持ち帰りました。 |